カリブ海にて考え中 Thinking something in Caribbean

豪華客船で起こる色々な事。

0日目 怪しげな瞑想施設に修行へ行ったお話


ヴィパッサナー瞑想の施設は日本に二つ。京都と千葉にあります。
京都の方は人気で、もう今年一杯は予約が取れないみたいです。

修行は10日間で誰とも喋る事ができませんし、携帯電話等も使う事は出来ません。

 


私は大阪でお世話になったチベット瞑想の先生から、この施設の事を教えてもらい、元々スリランカかネパールに修行に行くつもりだったので、千葉なら近い!
と思って千葉にしました。

 

新幹線から京葉線に乗り換え、センター最寄駅の茂原に到着。
送迎の車が来る所まで、バスで向かう。

どのバス停か分かるかなーなんて不安に思っていると、ある一つのバス停にバックパックや、大きなスーツケースを持った人の長蛇の列が。
田舎の駅のあるバス停にだけ、長蛇の列という異様な光景。
これで間違い無い。
私は思いました。

 

その時センターに向かう約男女30人がバスに乗っていたと思います。

地元の学生が数人、バスに乗っていましたがとてもかわいそうでした。

バスで20分程揺られた後、到着。

しかし送迎の車は一度に6人程度しかセンターに運べないというので、結局ほとんどの人はそこから歩いてセンターに向かう事に。


センターに着くと簡単なペーパーワークがあり、貴重品や、携帯、電子機器類の預かり。そしてテントや泊まる宿舎が割り振られる。

センターは四方を小高い丘と、森に囲まれていてまさに自然の要塞といった感じ。

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たまにイノシシも出ます。笑

 

 

 

  • 宿泊形態

泊まる場所は宿泊棟かテントを選べるのですが、快適さ(気温等)を重視するなら宿泊棟。プライバシーを重視するならテントをお勧めします。

宿泊棟の方が人気なので、宿泊棟を希望される方は早めのエントリーが必要です。

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私はこのテントで10日間過ごしました。

 

  • 食事

食事は肉、魚等を除いた粗食です。

朝がパン、ご飯、玄米、味噌汁、バナナやオレンジ

昼が一番豪華で朝のメニュープラス、厚揚げのマリネやカレーが出たこともありました。

夜のメニューがシュールで、必ずポップコーンが出て、後はりんご半個など少量です。

私はこの合宿中2キロ痩せました。本分とはそれますが、ダイエットしたい女性にも良いかもしれません。

 

味はとても薄味です。この修行が終わってからマクドナルドのポテトを食べたら塩辛すぎて食べれませんでしたし、胃が優しいものに慣れすぎたせいか、後でお腹が痛くなりました。

 

  • 風呂、シャワー

 

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すごく充実しています。男性の方は3つシャワールームがあるのですが、基本的に自分の使いたい時に使えました。

 

  • 費用

 基本的に無料。

寄付のみにより成り立っています。

 

 

 

テントにバックパックを下ろした時、約午後4時半くらいで、その後夕方6時のオリエンテーションまで自由時間。
数人外人がいたので話しかけてみる。

一人はNY郊外生まれの、両親は敬虔なクリスチャンのドレ。

もう一人は日本に来て10年、大学院で超伝導の研究をしている南アフリカンのピーター。

プリズンブレイクの主人公をヒゲ濃くした感じのイケメン。

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私が
南アフリカンの友達めっちゃいるよ。
と伝えると

日本人は大体、南アフリカンの人に初めて会ったって人が多いのに、珍しいね。
と言われた。

私が勤めるスパの2大勢力はフィリピーノと南アフリカンなんです。

 


これから9日間お互いに喋る事や、ジェスチャー、あらゆるボディランゲージが禁止される、聖なる沈黙というものが始まります。

その聖なる沈黙が始まる前に、少し話できたのはラッキーでした。

なんせこれより9日間誰とも喋ることが出来ませんので。

 

日本人の人達は割と大人しくしていました。

女性も男性も当たり前ですが、一人で来ている人がほとんどのようでした。
人数は男30、女30くらいの約60名。

思っていたより、多くの参加者に驚きました。

それもそのはず、年末年始やお盆のシーズンは特に人気で、なんと100人ほどのキャンセル待ちが発生するそうです。


オリエンテーションが7時に終わり、最初の2時間の瞑想が始まります。
瞑想センターは異様な雰囲気を醸し出しています。
荘厳というか、そこはかなく重い空気というか、講師や奉仕者含め70人近くがいるのに、誰も喋らず、物音一つ立ててはいけない雰囲気がそれを作っているのかもしれません。

そこに仏像がないこと、私達の指導にあたってくださったクリス先生がポロシャツ、チノパンで出てきた事に驚きました。

 

やはり何か変な宗教に勧誘されたらどうしようという不安がありましたので。

 

瞑想というのは約2500年前、ブッダ(釈迦)が悟りを開くための修行として、実践した方法であって、ブッダの元には多くの在家の人、他宗教の人もやってきて瞑想に励んだそうです。

 

そもそも日本に伝わった大乗仏教とはブッダの没後500年、ブッダの骨に価値があると言い出した人たちが、ブッダを祭り上げ作られたものです。

 

ブッダ自体は超越者の存在や、死後の世界について述べてはいませんし、意味の無い宗教的な慣習を嫌っていました。

ブッダはインド哲学をベースとして人間関係をどう生きるかという事を説いた、哲学者といった方が正しいかもしれません。

 

なので瞑想するために、仏教に入ったり、改宗したりする必要は全く無いのです。

 

そしていよいよ最初の瞑想が始まりました。

 

 

 

よく瞑想から帰ってきたというと

 

どうやって精神統一するの?とか

何も考えないことなんて、絶対無理!

 

ということが言われますが、これには実はコツがあるのです。

 

もちろん

何も考えないでおこう!

というのはすでに考えていることになります。笑

 

何も考えない事が確かに重要なのですがその目的は、より明晰に考えられるようになる事です。
これは矛盾してるように聞こえますが、思考とは
携帯のストレージ、PCのHDDメモリみたいなもの。
空き容量が無いと、新しい考えができないのです。


あるいは水泳の息継ぎもそうですが、初心者の人は息を吸う事に意識を置きすぎて、吐く事を忘れ、息苦しくなっていきます。


まず考えるためには考えない事、空を作る事が必要なのです。

 

次回その方法については詳しくお話しします。

 

 

ヒントはThinkとFeelは共存出来ないという事です。

 

 この日は9時に就寝。

翌日自分の心があれほどに荒ぶってるとは、この時思いもしませんでした。