カリブ海にて考え中 Thinking something in Caribbean

豪華客船で起こる色々な事。

バケーションの過ごし方①ミャンマーで瞑想してみる

 

どうもリョウタです。

人間というものは不思議なもので、ずっと仕事してると休み欲しー!ってなるんですが、ずっと休んでいると、なんか仕事しなきゃ!ってなってきます。

 

バケーションも2週間が過ぎ僕は今、舞鶴から小樽へとフェリーで向かっています。

 

 

さて、船の生活というのは実はなかなかストレス満載で、そのストレスをどうマネジメントして仕事のパフォーマンスを上げていくかという事が非常に重要になってきます。

 

お客さんは仕事をすでにリタイアした人、忙しい中なんとか休みを取って乗船してきた人。様々ですがみんな基本的には長期の休み、そして豪華客船に乗船するということでハッピーな気持ちで乗り込んできます。

 

そんな中、自分の気持ちが沈んでいたり、疲れているとお客さんのハッピーな波動と自分の波動がシンクロせず、適切な治療をしても治らない事がよくあります。

 

7ヶ月の契約期間中、体調を崩すことなく、そして高いモチベーションを常に保ちつづける事。これは治療技術、セミナーでお客さんを取り込む表現力と同レベルと言って良いくらい豪華客船鍼灸師にとって大切な能力です。

 

そしてもし良い精神状態を保つ裏技を身に着ける事が出来たなら、それは仕事だけじゃなく人生においても宝になると思い、ミャンマーへ渡って、僧院で1ヶ月瞑想の修行を積みました。

それがどの程度関係しているかは定かではありませんが、このコントラクトでは平均してずっと予約が埋まっている状況の上、1月にはMOMENT THAT MATTERと言うクルーに送られる賞をキャプテンから受賞したり、平均して高いパフォーマンスの治療が出来たと感じています。

 

今さらなのですが、少し前にミャンマーの僧院に瞑想の修行に行って感じた事をメモを頼りに、思い出しながら書いてまとめましたので、良かったら御覧ください。

 

 

目次 

 

 

 

———以下本文———

 

始まり 

 

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僕がヤンゴンについたのは2016年年末。

北海道で友達に会い、その北海道で泊まったホテルでたまたま一緒になったスウェーデン出身のカップルとロビーで意気投合し、4人で札幌で一緒に夕食をとり、その後ミャンマーに行く予定だった。

 

しかし新千歳から出発する直前にオンラインで申請していたミャンマーへ入国するためのビザが下りていない事に気づき、ミャンマー政府からビザがおりるまでの時間タイを経由し、結局タイで数日時間をつぶしてからミャンマーのヤンゴンに到着した。

 

早速ヤンゴンの空港で現地の通貨ミャンマーチャットに幾らか換金。ミャンマーは東南アジアで最も貧しい国と言われていて、あまりクレジットカードを切りたく無いなと思っていた。

とりあえず1ヶ月は滞在するしUS100ドル(1万円相当)くらいは使うだろうと思って、換金すると財布がどえらいことになった。

 

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これはインドネシアルピアと似ている。ちなみにインドネシアは近々通貨の切り上げを行うそう。

空港を出ると大勢のタクシードライバーが空港からヤンゴン中心部行きのお客を狙って、声をかけてくる。

僕はあらかじめネットで調べていた適正価格に近い言い値で行ってくれるドライバーを探したが、みなそれより3,4割高い値段でふっかけてくる。

 

しょうがないので空港ロビーに戻り、割とまともそう空港内のタクシー運営会社のデスクに行き、ヤンゴン中心部までの価格を尋ねると驚いた事に外にいた流しのタクシードライバーより高い価格を提示された。(笑)

 

しょうがないので外に戻って英語が少しわかりそうなドライバーを選び(ミャンマーはインドにも近いので、みんな英語をもっと話せるのかと思っていたらタイより通じなかった)まずヤンゴンにある瞑想修行を行なっている寺院「チャンミメディテーションセンター」(行き方等はこちらのブログを参考https://life-traveller.com/meditation-in-yangon)を目指した。

 

チャンミメディテーションセンターは空港とヤンゴン中心部の中間にあり、ヤンゴン中心部のホテルに行って、またセンターに戻るのは二度手間になるので、ホテルに着く前にセンターで修行の受付をしておきたかった。

 

そしてグーグルマップでドライバーに位置を伝え、向かうがいっこうに着かない。

そして30分でいけるところを通行人に道を聞いたりしながら、1時間かけてようやくたどり着いたのち、発展途上国タクシードライバーがよく展開する謎の理論

「迷って時間かかったから余分にお金払え。」

という文句が始まった。

 

いったいどういう風に考えたらそんな理論が展開できるのか毎回疑問に思うけれど、とりあえず僕はそれを丁寧にお断りし、事前に折り合った金額7,000チャット(約600円)を支払い瞑想センターの受付へ迎かった。

 

そこにはピンクの袈裟を着た、独特の話すリズムを持った高齢の尼さんがいて対応してくれた。

その尼さんは僕が何か言葉を発する度に、それをゆっくり咀嚼するように噛み締め、ニコッとしてから言葉を返す独特の間がある方だった。

僕は最初あまりにその人がこちらが投げかけた言葉に対するアンサーが遅いので、彼女が英語を話せないと思った程だった。

こちらが言葉を発する度に、まるでビルの3階からスーパーボールを落として手元に跳ね返ってくるまでを待つような、そんな独特な間の会話を強いられた。

服装に関して上はシャツ、下はロンジーと言われる長いスカートをはく地元スタイルで来いと言われ、明日までに揃えておくようにと言われた。

 

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 ー現地スタイルー

 

翌日現地の衣装を購入、着用した状態であらためてそのセンターを訪問し、尼さんにどれくらい滞在するつもりなのか。ここの事はどうやって知ったのか。日本語の通訳が必要なのか。色々聞かれた。

そしてその後に僕の指導に当たってくれるマスター(指導者のお坊さん)が現れまたいくつか質問された。そして結果修行する事を許され、今度は荷物を預ける事に。

カメラや携帯、タブレット等の電子機器を預け、そして財布の中身まで調べられ、いよいよ居室に移動する。

この居室へ移動中に日本人女子大生二人に出会った。二人は世界一周旅行の途中で、ミャンマーの後もまだまだ色んな国を旅されたようだ。

 

 

 

修行にかかる金額

お布施としてまず13,000チャット(千円程度)の支払いを求められる。それ以外は特に滞在が終わってからも寄付を強制されるような事はなかった。修行する期間に関わらず最低必要なのは13,000チャットのみだと思う。

 

 

瞑想修行の内容

まず初日瞑想、歩行瞑想に関するビデオを見る。

これらのビデオは全て英語なので英語がある程度分かる人でないと厳しいかもしれない。

ただ普段は日本人のボランティアの人が常駐しているそうで、僕が行った時はたまたまその人が日本へ帰国中だったようだ。

そしてここの瞑想センターで一番特徴的なのは生活すべてが瞑想になるという事だ。

これは日本ではラベリングと言われている手法で、例えば歩行瞑想の場合、脚を上げます、脚を上げます、脚を下ろします、下ろしますなどと心でしっかり感じて動いていくもので、肘の曲げ伸ばしから、首の回旋、視線の移動1つまで自分の行動を心の中で、実況中継していくがごとく、行動を行う際に感覚(気づき)を介入させていく。

 

僕は何度も食事中、マスターに

「お前は食べるのが早い、リンゴに手を伸ばす手から、咀嚼する一嚙みまで全てそれを感じ、気づきなさい。」

と注意された。

食事だと例えば、スプーンを取ります、スプーンでジャガイモをすくいます、ジャガイモを口に運びます。といったふうに心で常に実況中継しているように動作をこなしていく。

後ろで音がしてもすぐ振り向くのではなく、音がした(認識の気づき)、体を後ろに振り返りたい(衝動への客観的な気づき)、振りかえって何が起きたか見る(行動)。

といった具合に、全ての日常生活の動作をあえてスローモーションにすることで、動作を行う前の感情、動作を行っている時の体感、そこにある感覚を気づく事が大事になってくる。

居室にいる時間以外(本当は居室にいる時間もゆっくり動かなければならない)はすべてゆっくり動き、それを感じなければならない。

これにより自分の感情を客観的に見る力が養われ、また過去、未来に関する思考を止める事が可能になり今という時間に集中する力が増大する心の鍛錬だそう。

 

日本の瞑想施設と同じで修行中、他のヨギ(瞑想修行者)との会話が一切禁止、電子機器類の使用はもちろん、極力読み書きもしないようにと事前に注意を受ける。

しかしおしゃべり禁止等は瞑想に参加している人のストイック度によって違うので、先に書いた女子大生の子達のように普通に話してる人もいる。

 

 

 

修行中の食事

チャンミメディテーションセンターの修行はとても食事がおいしい事で有名で、東南アジア系のごはんが苦手な人でも食べられる内容となっている。

毎回食べきれない量と種類のおかずが出てきて、ビーガン、ベジタリアンフードと選べ、至れり尽くせりだ。多分僕はこの瞑想センターに来てから体重が増えた。慣れない土地で食事の心配が強い人はこちらのセンターがおすすめ。

 

 

 

住居環境

部屋はよほど修行者が多くない限り、一人部屋が割り与えられると思う。

男子の部屋は合計5,6部屋あり人数が多いともしかしたら共同部屋になるのかもしれない。ベッドはマットレス部分が畳になっており、結構固い。

あとこれはチャンミセンター全体に言える事だけれど、センターが空港とヤンゴンのシティセンターを結ぶ幹線道路沿いの住宅街にあるので、結構うるさい。

ミャンマーは70パーセント程度が仏教徒らしいのに、みんなやたらクラクションを鳴らす。また生活音もうるさく、隣の家がカラオケを楽しんでたり、イベントなのか近くのホテルがクラブミュージックを遅くまで流してたり、環境に関して人によっては集中することが難しいという事もあり得るくらい騒音はひどく、ロケーションは修行に向いているとは言い難い。

 

 

 

猫とアイスクリーム

ここでは猫を見る事もアイスクリームを食べることも修行になる。

先にも述べたようにここでの修行は生活すべてが修行になる。

歩くことも、ごはんを食べることも、視線を動かす事一つとってもそれに気づかなければならない修行である。

センター内にはたくさんの猫がいる。

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猫好きの自分としてはその事自体はありがたいのだけれど、その猫達を見ようと視線を動かす事、また視線を動かしたいと思う事もラベリングが必要になってくる。

“私は猫をみたいと思っている”

“猫が視線の右側にいる”

“猫の方を見る”

“猫かわいいなー”

“猫触りたい”

“腕動かす”

“猫早足で去っていく

”悲しい“

といった具合にラベリングしている間に猫は大体逃げていく。

結局修行中に猫に触れたのは数回だった。

また食後になぜか決まってアイスクリームが出てくるのだけれど、なにせ先に言ったラベリングにより早く手を動かすことを禁じられているので、ゆっくり食べている間に溶けてなくなる事も多々あった。

 

 

 

総評

総合すると瞑想は非常に為になった。歩行瞑想、日常瞑想は初めてだったので、何も目を閉じて座禅を組むだけが瞑想じゃないんだなーと勉強になったし、集中力の向上をすごく感じた。

今回始めて行った歩行瞑想、ラベリング(心の実況中継)に代表される生活全てが瞑想になるといったものも、コンセプトとしては結局

ThinkとFeelは共存出来ない。

という事に全てはあてはまっているんだと思う。

考える事を止めようと思う事。これがすでに矛盾してすでに思考してしまっている。

だから考えるんじゃなくて感じようよ。って事。

もっとブルース・リー的に生きようよって事。

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詳しくまとめた記事はこちら↓

 

muranak.hatenablog.com

全体的にきびしくもなく、ゆるい雰囲気だけれど、いかんせん環境が残念で、うるさい上に空気もきたないので本格的に瞑想したい人には少しガッカリするかもしれない。ただ食事がおいしい事や、ヤンゴン中心部にある事からプチ修行したい人にはかなりオススメできる。

 

 

 

 

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カーネギーの言う所の潜在意識の重要性

 

“潜在意識は私たちがインプット (入力 )する思考を 、極めて事務的に処理していく。したがって潜在意識は 、恐怖に基づく思考も 、勇気や信念に基づく思考も同じように現実に変えてしまうのだ 。これは原子力がプラスに使われれば産業を繁栄させるけれども 、悪用すれば文明を破綻に導くことができるのと同じ理屈である。”

 

その潜在意識を変化させるためには、瞑想というのは一つの手段として有効だと思います。

何か自分の可能性を広げてみたい人や、大きく変化してみたい人は下手な自己啓発セミナーなんかよりも瞑想の方が実践的でよっぽど効果があります。

 

僕自身、仕事のパフォーマンスや、自分らしく過ごせた前コントラクトを通じて、ミャンマーでの瞑想によってストレスマネジメントが上手くなったと感じています。

 

 

 

次回はミャンマーにあるパオ瞑想センター (分院モービー僧院)を紹介します。