医療面接にも恋愛にも使える最強のバイスティックの7原則とは
どうもリョウタです。
今ヴィパッサナー瞑想で知り合った方のご厚意でベトナムに来ています。
ここでは家、食事をお世話してもらう代わりに日本語学校で、これから日本で就労する予定のベトナム人学生に日本語を教えたり、自分の経験を話させていただいてます。
僕自身が経験した豪華客船で働くことと、ベトナム人学生がこれから経験する日本で働く事、この2つには異文化に飛び込んでアウェーでの生活をしいられるという面で共通点があります。
またベトナム人学生が日本語という他言語を学ぶ事の大変さは、自分も英語を学ぶ大変さを実感したので、ある程度共感出来る面があります。
学生さん達のキラキラした目をみていると、豪華客船に乗る前の自分に戻ったような感情が思い起こされ、新鮮で非常にワクワクした気持ちを経験させてもらっています。
さて僕は鍼灸師としてだけではなく、ケアマネジャーとして働いていた時期がありました。
ケアマネという仕事は会話だけで患者(利用者)さんとの信頼関係を構築していかなければなりません。
例えば鍼灸師であれば患者さんは明確な訴えを持ってやってきます。
どこかが痛い
お腹の調子が悪い
気分が優れない等
鍼灸治療を通じて患者さんの訴えを改善する事が当面の目標としてはっきり存在しますし、それを改善していく事で関係性の構築も難しくはないです。
しかしそれとは一方、ケアマネという仕事は時にその訴えをまだ訴えてない人の所に押しかけ、その人の訴え、望む生活を探り出していき、それへ向けて援助していく事が仕事となります。
当たり前ですが鍼灸師の場合、初診の患者さんが何の症状も無く治療に来るという事はほとんどありません。(たまにメンテナンスや興味本位という方がいますが)
利用者さんが望む生活というものを探っていくために信頼関係の構築が必要になってきます。
“リハビリを頑張って体力をつけたいと思っている人”
“家族と一緒に暮らしたい人”
“逆に世話になりたくない人”
みなさん多種多様な望む生活を聞き出していくためには信頼関係無くして実行はできません。
信頼関係無くして僕のようないきなり会った若い男性ケアマネに、誰も家庭の収入状況など話したがらないのです。
前置きが長くなりましたが、信頼関係の構築が大半といったケアマネのような対人援助職でマニュアル、ガイドラインとされているものが存在し、それが今回ご紹介するバイスティックの7原則となります。
“バイステックの7原則
ケースワークの原則として「バイステックの7原則」がある。バイステックの7原則とは、アメリカのケースワーカーで社会福祉学者のフェリックス・P・バイステック(Felix P.Biestek)が1957年に著書『ケースワークの原則』で記したケースワークの原則である。バイステックの7原則は、現在においてケースワークの基本的な作法として認識されている。“
Wikipediaより
鍼灸師は治療に関する多くを学校で習いますが、患者さんとの信頼関係の構築という面では学校で詳しく習う事はあまり無いように思います。
就職先の接骨院や、鍼灸院、病院でのやり方に沿っていくという事が多いのです。
今回ケアマネを始めとする対人援助職の基本であるバイスティックの7原則を鍼灸師、医療従事者用に解釈して書いてみました。
これに基づいて行動していれば患者さんだけではなく、あなたの近しい人との信頼関係構築へ役立つものなので、是非今後の臨床、生活に利用してみてください。
- 1)個別化の法則(患者を個人として捉える)
- 2)意図的な感情表出の原則(患者さんの感情表現を大事にする)
- 3)制御された情緒関与の原則(臨床では自分の感情を客観的に、冷静に判断する)
- 4)受容の原則(受け止める)
- 5)非審判的態度の原則(患者さんを非難しない)
- 6)自己決定の原則(患者さんの自己決定を促して尊重する)
- 7)秘密保持の原則(秘密を保持する)
1)個別化の法則(患者を個人として捉える)
どれだけ似たような症状であっても、同じ症例は存在しない。
例えば同じ腰痛、同じような痛みとはいえ、同じような治療に画一化してしまうと、治りが悪くなってしまう事がある。
その人の生活習慣や、社会歴から痛みや病気の原因を個別に見出すことが重要である。
2)意図的な感情表出の原則(患者さんの感情表現を大事にする)
痛みや病気をどう受容、認識しているか、例えば
「この痛みは筋肉からきてると思いますか?」
とか
「痛み始めてから今までで痛みは増悪していますか?よくなっていますか?」
等聞くことで、自分の病識を自己把握、またはその時の感情を患者さんに露出させる。
当の本人が
「これくらいの痛みはある程度しょうがない。」
と思っているのか、
「なんでこんな目に自分が合わなければならない」
と思っているのかは客観的な痛みの度合い等では判定できない。
確認する。人が何か訴える時、それに伴った感情がある事を忘れてはならない。
3)制御された情緒関与の原則(臨床では自分の感情を客観的に、冷静に判断する)
患者さんが病気にいたるまでの過程、現在の状況に同情したくなっても、常に治療者として患者さんに適切な距離を保ち治療にあたっていく。
過度な感情移入は時に治療の妨げになる事がある。
4)受容の原則(受け止める)
ただわけもなく受け入れるのでは無く、受容は宗教、歴史、個性、生き方を理解しようとすることで生まれる。
その理解からその患者さんを拒否することなく、なぜそのような生活習慣を送るのかを考え、「理解」することで初めて受容するという事に繋がる。
5)非審判的態度の原則(患者さんを非難しない)
こうするべき。こうしなくてはいけない。で患者さんを締め付けていないか。
非審判的態度の原則が守られない=患者さんは自分の思考や価値判断基準を否定されたことになる。
否定されてなお患者さんは、治療者のことを信頼し続けていられるだろうか。
みずからの生活習慣がその人の痛みや病気を招いているケース(糖尿病等)に臨床では多々遭遇するが、まずそのような悪習に患者さん自身が気づき、患者さんみずからの決定によって変えていけるような治療、関係性を促していかないといけない。
6)自己決定の原則(患者さんの自己決定を促して尊重する)
臨床の現場での主体は患者さんであり、最終決定をするのは患者さん自身であるという事。
治療を受けるメリット、受けないままこのまま進んだ場合のデメリット等を提示、自己決定の条件整備をした後、それを促し尊重する。患者さん自身が自分で良くなっていけるというエンパワメントを引き出せ、運動療法や生活習慣を見直す気づきに繋がる。
7)秘密保持の原則(秘密を保持する)
プライバシーが守られているか、臨床で得られた個人情報は他に、それがもし家族とはいえ決して漏らしてはならない。
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僕が今回ベトナムでお世話になっている人と出会った瞑想がこちら↓
宗教感がまったく無く、指導もかなりしっかりしてくれるので瞑想経験の全く無い人におすすめの修行場です